一人歩きしがちワード「IPアドレス」
インターネットを使っていると、必ず耳にする言葉があります。
「IPアドレス」。
なんだか難しそうな響きです。
ハッカーが黒い画面に打ち込んでいそうな雰囲気があります。
しかし、恐れる必要はありません。
これは単なる「ネット上の住所」です。
たとえば、現実世界で住所不定のままAmazonで買い物ができるかというとできません。
荷物をどこに届ければいいか分からないからです。
ネットも同じです。
あなたがYouTubeを見たいとリクエストした時、YouTube側は「動画データをどこに送り返せばいいか」を知る必要があります。
その送り先を示す番号。それがIPアドレスです。
見た目:ただの数字の羅列
IPアドレスの実体は、ただの数字です。
192.168.0.1203.0.113.5
このように、ドットで区切られた4つの数字で表されます(IPv4の場合)。
コンピュータは「東京都港区…」といった日本語の住所は理解できません。0と1のデジタルな数字しか扱えないからです。
なので、ネット上の全てのスマホやPCには、この番号が割り振られています。
2つの顔:グローバルとプライベート
ここからが少しややこしいですが、重要です。
IPアドレスには2種類あります。
- グローバルIPアドレス:世界で通用する住所
- プライベートIPアドレス:家の中だけで通用する部屋番号
これを「マンション」に例えると一発で分かります。
グローバルIPアドレス
グローバルIPアドレスは、「マンション自体の住所」です。
「東京都○○区△△マンション」という、世界に一つしかない場所です。
これは、あなたの家のルーター(ネットの出入り口)に割り当てられます。
プライベートIPアドレス
プライベートIPアドレスは、「マンション内の部屋番号」です。
「101号室」「102号室」といった番号です。
これは、家の中にあるスマホ、PC、タブレット、ゲーム機などそれぞれに割り当てられます。
ルーター:マンションの管理人
では、YouTubeの動画データはどうやってあなたのスマホ(101号室)に届くのか。
ここで活躍するのが「ルーター」です。彼はマンションの管理人のような存在です。
あなた(101号室)「YouTube見たい!」
管理人(ルーター)「よし分かった。俺が代表して取ってくる」
管理人「マンションの住所(グローバルIP)を使って、ネットの海へ出て行くぞ」
YouTube「管理人に動画データを渡しますよ」
管理人「マンションに帰ってきたぞ。これは101号室に渡す動画だな。渡しに行くぞ」
この変換作業のおかげで、一つのネット回線(グローバルIP)を、家族全員(プライベートIP)で共有できるのです。

「IP抜いたぞ」の脅しは無視せよ
ネットの掲示板やゲームで取っ組み合いの喧嘩になると、捨て台詞のように言う人がいます。
「お前のIP抜いたからな。住所特定してやる」
結論として、仮に本当にIPアドレスを抜いたとしても、一般人に住所の特定は不可能です。
IPアドレスから分かるのは、せいぜい「どのプロバイダを使っているか」と「大まかな地域(都道府県レベル)」くらいです。
「東京都のどこか」程度は分かっても、「○○区の田中さんの家」までは絶対に分かりません。
その情報を持っているのは、プロバイダ(NTTやKDDIなど)だけです。
ただし、あなたが犯罪予告などの各種犯罪を行えば話は別です。
警察が裁判所の令状を持ってプロバイダに「このIPを使っていたのは誰だ」と照会すれば、あなたの名前と住所が開示されます。
IPアドレスは個人情報ではありませんが、悪事を働けば身元がバレる「車のナンバープレート」のようなものです。
まとめ:ネットの免許証
- IPアドレス
ネット上の住所。これがないと通信できない。 - グローバルIP
家の玄関(ルーター)につく住所。 - プライベートIP
家の中の機器につく部屋番号。
IPアドレスは、あなたがネット社会に参加するためのIDカードです。
むやみに怖がる必要はありませんが、悪いことをすれば足がつく。
その適度な緊張感を持って、デジタルの海を航海してください。


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