リクエストとレスポンスは「パシリ」の構造だ!Webの基礎を3分で

リクエストとレスポンス webシステム

不良とパシリの関係は、リクエストとレスポンスを体現していた

スマホでリンクをタップしたのに、画面が白く固まったまま動かない。

そんな時、あなたの脳裏には「電波が悪いのか?」「スマホが壊れたのか?」「世界が止まったのか?」という疑念が渦巻きます。

その裏側で起きているドラマ。それが「リクエスト」と「レスポンス」です。

インターネットの世界は、想像以上に上下関係の激しい縦社会です。そこには「命令する者(クライアント)」と「命令される者(サーバー)」しかいません。

この二者の間で行われる「パシリの会話」こそが、Webのすべてです。


リクエスト:傲慢な「あれ取ってこい」

あなたがブラウザ(ChromeやSafariなど)でURLを叩いたり、リンクを押したりする行為。これはただの優雅なネットサーフィンなどではありません。

あなたは遠く離れた場所にあるコンピューター(サーバー)に向かって、「おい、そのページを見せろ」と命令しているのです。

これがリクエスト(要求)です。

リクエストは、ワガママな注文票です。そこには細かい指示が書かれています。

  • どこで(URL): 「東京のデータセンターにある○○ブログの」
  • 何を(リソース): 「猫の画像を」
  • どうしろ(メソッド): 「よこせ(GET)」または「送信しろ(POST)」

その時のあなたのスマホは、指一本でサーバーを酷使する暴君です。

「次のページ出せ」「ログインさせろ」「いいねボタンを押したことにしろ」
この矢継ぎ早な命令が、光の速さで海底ケーブルを駆け抜けます。


レスポンス:健気な「へい、お待ち」

一方、命令を受けたサーバーは、24時間365日働き続ける社畜です。

文句ひとつ言わず、あなたのリクエストに応えます。倉庫(データベース)から指定された猫の画像を探し出し、丁寧に梱包して送り返してくる。

これがレスポンス(応答)です。

レスポンスは単なる「データ」ではありません。そこには必ず「報告書(ステータスコード)」が添付されています。

料理と一緒に、ウェイターの「一言」が添えられているイメージです。


エラー画面の正体:店員の言い訳リスト

Webを見ていると、「404 Not Found」などの数字が表示されてイラつくことがあります。あれは、サーバーからの必死の言い訳(レスポンスコード)です。

数字の意味を知れば、サーバーの気持ちが分かります。

  • 200 OK(成功)
    「ご注文の品、完璧にご用意できました!」
    これが通常の成功状態。何も表示されず、普通にページが見れるのはこの報告が裏で届いているからです。
  • 404 Not Found(見つかりません)
    「お客様、倉庫の裏まで探しましたが、そんなページはありませんでした…」
    リンク切れです。悪いのはサーバーではなく、間違った地図(URL)を渡した側か、ページを消した管理者です。
  • 500 Internal Server Error(内部サーバーエラー)
    「すいません! 厨房でボヤ騒ぎです! 料理どころじゃありません!」
    サーバー側のプログラムが故障しています。あなたは悪くありません。直るまで寝て待つしかありません。
  • 403 Forbidden(閲覧禁止)
    「あんたに見せるメニューはねえ。帰りな」
    会員限定ページなどで起こります。権限がない状態でアクセスしようとすると、入口で屈強なガードマンに止められます。

「待つ」時間の正体

あなたがリンクを押してから、新しい画面が出るまで一瞬の空白の時間があるかもしれません。あそこで何が起きているか。

それは「いってこい(リクエスト)」と投げたボールが、「ただいま(レスポンス)」と返ってくるまでの滞空時間です。

アメリカのサーバーへアクセスするなら、ボールは太平洋を往復しています。サーバーが混雑していれば、店員がバックヤードで走り回っていてレジに出てこれない状態です。

画面が白い時、怒らないであげてください。目に見えないボールが、必死でデジタルの荒野を飛んでいる最中なのです。


まとめ:ネットは巨大なキャッチボール

リクエストとレスポンス。名前は仰々しいですが、やっていることは単純です。

「くれ」(リクエスト)
「ほらよ」(レスポンス)

この単純なやり取りを、1ページ表示するだけで数十回、数百回と繰り返しています。(画像1枚、文字データ1つ、それぞれにこの会話が発生します)

今度スマホの画面が読み込み中でグルグル回っていたら、心の中で応援してください。

「おいパシリ、転ばずに生きて帰って来いよ!」と。

インターネットは今日も、あなたの指先ひとつの命令で動く、忠実で健気なシステムの上に成り立っているのです。

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