画面を指先で叩いた直後の話です。
一瞬で画像や言葉が並ぶ様子は、どこか不思議ではありませんか。
電波の先には、皆さんの期待を一身に背負った働き者が住んでいます。
その者の正体を、Webサーバと呼びます。
今回は、この電子の世界の頼れる裏方について解説します。
仕事内容は「お手紙を読んで封筒を送り返すこと」
Webサーバの役割は非常にシンプルです。
それは「情報の運び出し」です。
皆さんのスマホが「あの猫の写真が見たいです」と書いた注文書を送ると、Webサーバは以下のような工程を瞬時にこなします。
- 倉庫(保管場所)の中を大急ぎで探し回る
- 目的の「猫の写真」を拾い上げる
- 皆さんの手元へ正確に送り届ける
これがネットの裏側で繰り返される日常茶飯事の出来事です。
昼寝もなし、休みもなし。
ただひたすら注文を読み続けて、中身を発送する不眠不休の仕事人なのです。
決まった会話の作法:共通言語「HTTP」
世界中からの注文を受け取るためには、誰とでも通じる決まった作法が必要になります。
その筆頭がHTTP(エイチティーティーピー)です。
これは通信のやり取りに使う「注文書の種類」に当たります。
Request: GET /index.html
このように書かれた内容を受け取ると、Webサーバは「承知しました!」と言わんばかりの速度で、画面を動かすデータをこちら側へと返却します。
有名人の名前と個性の違い:ApacheとNginx
サーバという名前ですが、実際に動かしているプログラムによって個性が異なります。
中身を知ると、より親しみが湧くはずです。
経験豊かな長老:Apache
まず、経験豊かな長老タイプがApache(アパッチ)です。
とにかく頑丈で、昔からの知恵がたくさん詰まっています。
安定して動いてくれる、困った時に頼れる存在です。
快速のランナー:Nginx
一方で、最近の流行りを受け持つ快速のランナーがいます。
名前をNginx(エンジンエックス)と言います。
こちらは大量の注文を効率よくさばくことが大の得意で、とにかく仕事が早いです。
どちらが良いという話ではなく、どのお店にどの店員さんを立たせるかという「選び方」の問題なのです。
もしも彼らがいなくなってしまったら
皆さんが明日、SNSのボタンを触った時。
もしWebサーバがいなくなっていれば、何も返ってきません。
そこにあるのは、ただの暗い画面。
どこにも繋がらない、静かな箱です。
そうなって初めて、私たちはサーバのありがたみを痛感することになります。
失って、初めてありがたみを知るのです。
私たちの生活は、この見えない場所で汗を流す者たちによって成立しています。
皆さんが次にお気に入りのサイトを見た時は、通信の向こうで走り回る配送員の顔を思い浮かべてみてください。
きっと彼らも報われるはずです。



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